資金繰りが苦しい社長のための「資金繰り表」作成入門
「利益は出ているはずなのに、なぜかいつも資金繰りが苦しい」
多くの中小企業の社長が、こうした悩みを抱えています。決算書の上では黒字でも、手元にお金がなければ、会社は立ち行かなくなります。この「黒字倒産」のリスクを回避し、経営を安定させるために不可欠なツールが「資金繰り表」です。
本記事では、資金繰り表の基本的な作り方と、経営に活かすためのポイントを解説します。
なぜ資金繰り表が必要なのか?
損益計算書が「会社の利益」を示すのに対し、資金繰り表は「会社の現金の流れ」を示します。商品の仕入れから販売、そして代金の回収までには時間がかかります。このタイムラグが、利益と現金のズレを生むのです。
例えば、100万円で仕入れた商品を150万円で販売した場合、損益計算書上は50万円の利益です。しかし、仕入れ代金の支払いが先に発生し、売上金の入金が2ヶ月後であれば、その間、会社のお金は減ってしまいます。資金繰り表は、こうしたお金の出入りを可視化し、将来の資金ショートを予測するために不可欠なツールなのです。
資金繰り表の基本的な構造
資金繰り表は、主に以下の4つの要素で構成されます。
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収入(お金がいつ、いくら入ってくるか)
- 売上金の回収
- 銀行からの借入
- 補助金の入金 など
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支出(お金がいつ、いくら出ていくか)
- 仕入れ代金の支払い
- 人件費、家賃などの経費
- 借入金の返済
- 税金の支払い など
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差額(収入 - 支出) その月の現金の増減を示します。
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繰越金(月末の現金残高) 翌月の現金残高の元になります。
資金繰り表を作成する3つのステップ
では、実際に資金繰り表を作成してみましょう。難しく考える必要はありません。まずは簡単なものからで大丈夫です。
ステップ1:過去の実績を記録する
まずは過去3ヶ月から半年分のお金の流れを、通帳や請求書を見ながら記録してみましょう。これにより、自社の平均的な収入と支出のパターンが見えてきます。
ステップ2:将来の予定を盛り込む
次に、将来の予定を書き込んでいきます。確定している売上や支払いの予定はもちろん、受注見込みや設備投資の計画なども盛り込みます。これにより、数ヶ月先の資金の見通しが立ちます。
ステップ3:定期的に見直し、実績と比較する
資金繰り表は一度作って終わりではありません。月に一度は実績と比較し、予定とのズレを確認しましょう。なぜズレが生じたのかを分析することで、経営の精度が上がっていきます。
資金繰り表から経営の次の一手が見える
資金繰り表を継続して作成すると、様々なことが見えてきます。
- 資金ショートの早期発見:数ヶ月先に資金が足りなくなることが予測できれば、早めに銀行に融資の相談をするなどの対策が打てます。
- 適切な投資タイミングの判断:会社の資金に余裕がある時期がわかるため、設備投資などの計画が立てやすくなります。
- 経営改善のヒント:売掛金の回収が遅れがち、不要な経費が多いなど、お金の流れのボトルネックを発見できます。
資金繰り表は、いわば会社の「健康診断書」です。定期的にチェックすることで、経営の健全性を保ち、力強い次の一手を打つための羅針盤となるのです。
当事務所では、資金繰り改善に関するご相談も承っております。専門家の視点から、貴社の状況に合わせた資金繰り表の作成支援やアドバイスを提供いたします。初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
